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相談事例 ご高齢のお客様 保険編
先日、こんなご相談がありました。
「証券会社の人が夜の8時に家に来て保険の契約をさせられてしまった。何だか意にそぐわないので解約しようかと思って。」
もう少しよく聞いてみると、「持っていた株がだいぶ値上がりしているから利益をとったほうがいいと担当者に言われた。それには納得したのでOKしました。そうしたら今度は利益が大きく税金がたくさんかかってしまうのでマイナスのものも全部一緒に売って損益通算したほうがいいと。いくつか株は持っておきたかったのでそれは嫌だと言ったんだけど、結局売らされてしまった。」(その中にはご本人と亡くなったご主人が働いていた会社の株も含まれていました。)
「そしていくら儲かったのかはっきりわからないまま、保険を勧められましたが、証券会社の店頭ではっきり断りました。だって、78歳の私に40年の保険なんて長すぎるし、外貨で元本保証と言われても為替は結構動くでしょう。そうしたら、その晩の8時に担当者が家に来て、今度は38年満期の保険を持ってきたの。ぱっぱ、ぱっぱと説明されて押し切られてしまった。何だか面白くないから解約しようかしら。」
基本的には運用商品としての保険で割のいいものはありません。この方が勧められた保険にするくらいなら、外貨建ての債券の方が利率もいいし、換金性も高い。 しかし、もうすでにクーリングオフの期間は終わっていました。解約すると解約手数料がたくさんかかってしまう。このお客様の場合、この資産をそのままにしておいても生活に支障はなかったので「特別悪い商品でもないし、すぐ売ったら損が大きくなるので、為替が大きく円安になったら考えましょう。」とお伝えしました。
お客様はほっとされたお顔をなさっていました。
このお客様はとてもご自身の意志がしっかりしていて嫌なものは嫌と言える方だったのですが、ご年齢とともに断るエネルギーが足りなくなっていたのでしょう。
今回のこのケースは非常によくあるパターンです。
親御さんは子供に資産運用の話をしたがりませんし、子供さんは親のお金にとやかく言いたくないものです。しかしながら私も高齢の両親を見ていて思うのですが、最初はゆっくり、そしてまずいかなと思ってからは加速度的に判断能力が落ちていきます。 できるだけ早い時点でご家族で話し合える体制にしておくことが大切です。 そしてその際、身内とは別の一家のアドバイザーが一人いると良い場合があります。 身内でお金の話は難しい面もありますから。